日時 | 2009年11月27日(金)19時開演 |
場所 | 本郷中央教会 |
入場料 | 2500円 |
指揮 | 鈴木恵里奈 |
出演 |
秋田薫 高橋知子 辻山洋美 生駒圭子 大森寿枝 山口克枝 山川一江 辻端幹彦 井東譲 生駒文昭 渡部智也 アンサンブル・アマデウス 尾形由美(Org、Pf)、太田恭子(Pf) |
プログラム |
オルガン・ソロ・ミサ(KV259) モーツァルトの百面相 作詞/山川 啓介 作曲/鈴木輝昭 リタニア(KV243) |
オルガン・ソロ・ミサ(KV259)
ミサとは、「最後の晩餐」で、キリストがパンとぶどう酒を皆にわけた行いを、後のキリスト教徒が儀式化したものであり、以下の3部構成でおこなわれる。 1、開祭の儀…キリエ、グローリア 2、言葉の典礼…クレド 3、感謝の典礼…サンクトゥス〜ベネディクトゥス、アニュス・デイ メインは感謝の典礼。「パンとぶどう酒」=「キリストのからだと血」を父なる神にささげ、信徒はそのパンを食べ、ぶどう酒を飲む。この行為が最も重要で神秘的な儀式となる。 モーツァルトのミサ曲の多くは、式次第の中で使われる。ザルツブルク時代にコロレド大司教の要請によって作られた。コロレド大司教はとにかくミサを早くすまそうとするため、短く切り上げるように作曲せざるを得なかった。ザルツブルク時代のミサ曲が荘厳ミサを含めても短めな曲が多いのは、モーツァルトが手抜きをしたせいではない。今回の「オルガン・ソロ・ミサ」は、短いながらも形式は整い、民謡からヒントを得たと思われる親しみやすい旋律が印象的である。ちなみにベネディクトゥスにおいてオルガンソロが活躍するため、「オルガン・ソロ・ミサ」とよばれている。 モーツァルトの百面相(ジグソーパズル・モーツァルト) 死後200年を経てもその名を輝かせるモーツァルト。 生まれはザルツブルク。3歳でピアノを弾き、5歳で作曲をする。人々の注目を集める、天才少年! その才能を伸ばすため、父と共に馬車で旅を続ける。ミュンヘン、ウィーン、パリ、ロンドンへと。 数年後、故郷ザルツブルクにもどり、音楽家として活躍。ヨーロッパにその名を轟かす。 オペラの本場イタリアへ、3度に渡り旅行。その実力と才能を認められ、少年の未来は輝いていた。 20歳を過ぎたモーツァルト。かわらず精力的に作曲を続ける。 初恋…失恋を経て、独立心が芽生える。父の元を離れ、ウィーンへ居を移す。 自由な生活を手に入れ、音楽に恋にのめりこむ。反対を押し切って結婚。 30歳をすぎ、沢山の作品を生み出し人々に熱狂されるも、なぜかポケットはからっぽ。 浪費家で病気がちの妻を増え続ける借金。 やがてその魂は輝きを失いはじめる。病のベッドで書くのは「レクイエム」。 音楽の女神にすげてをささげた「星」は、そっと消えていった・・・。 リタニア(KV257) リタニア(連祷)とは先唱者が神や聖母マリアにたいする呼びかけをおこない、会衆がそれに《われらをあわれみたまえ》《われらのために祈りたまえ》と答える…という祈りの形式である。夕暮れになると、このリタニア(連祷)を唱えるためにあつまる儀式は、当時の民衆にとても好まれていた。モーツァルトは最も人気の高い2種類の連祷のために、それぞれ2曲ずつ作曲している。 ・「ロレトのリタニア」(K109 )(K195)…聖母マリアの奇跡をたたえる儀式 ・「聖体の祝日のためのリタニア」(K125)(K243)…キリストの肉体になった「パン」=「聖体」を崇敬 最後のリタニア、K243はもっとも完成度が高く、独創的かつ個性的な作品である。 おだやかでありながら敬虔な祈りではじまり、つづく華やかな技巧的なメロディ、表現力に富んだ和声、歌曲的で近代的な様式、厳格でありながら、発展的なフーガと惜しげもなく、その才能を披露していく。そして、最後に再び冒頭のおだやかな、心をこめた深い祈りへと立ち戻っていくのである。 ウィーン時代以降の名作に隠れて、なかなか「名作」の評判になりにくい作品ではあるが、間違いなく「傑作」のひとつであり、青年モーツァルトの集大成といえる作品である。 |