The 17th concert


日時 2011年6月3日(金)19時開演
場所 同仁キリスト教会
入場料 2000円
指揮 佐藤宏充
出演 秋田薫 高橋知子 辻山洋美
滋田聖美 大森寿枝 山口克枝
辻端幹彦 井東譲 生駒文昭 
アンサンブル・アマデウス
大熊敏子(Pf)、尾形由美(Pf)
プログラム Kyrie K.90
Kyrie K.90
Misericordias Domini K.222(205a)
Ich wurd auf meinem Pfad K.390
Ten. 辻端幹彦
「魔笛」より夜の女王のアリア“Der Holle Rache kocht in meinem Herzen・・“ K.620
Sop. 滋田聖美 
Kyrie  K.341(368a)
Requiem K.626

プログラムの内容

Kyrie K.90
6歳、第2回イタリア旅行の前(1771年)または17歳、第3回イタリア旅行の前(1772年)に作曲されたと言われている。 全26小節、四声による対位法の習作。後に父レオポルトが手を加えたらしい。 曲はバロック期までに確立されたオーソドックスな二重フーガで始まる。少年モーツァルトが前時代の音楽である「フーガ」を懸命に勉強していたことがしのばれる曲。ミハエル・ハイドンあるいはエーベルリン作の模写かと思われていたが、自筆譜の研究により真作と断定された。

Misericordias Domini K.222(205a)
Misericordias Domini        主のお憐れみを
   Cantabo in aeternum        永遠に歌い讃えよう
1775年、モーツァルト19歳の作品。この曲は「いかさま女庭師」を作曲後、対位法的力量を示すため書かれたといわれている。かなりの自信作だったらしく、師であるマルティーニ神父に総譜を送付し、賞賛された曲である。歌詞は上記のようにきわめて短いもので、詩篇第88編の冒頭の一節である。この歌詞が延々と11回繰り返される。ベートーベンの第九を想起させるような旋律が、弦楽器によって奏でられている事も、特徴的である。

Ich wurd auf meinem Pfad K.390
「私は道の上で涙にくれながら」と始まるこの歌は、当時の感傷主義文学の作家J.T.ヘルメス(1738-1821)の小説「メーメルからザクセンへのゾフィーの旅」から3篇の詩をとり、3つの歌曲(K390、K391、K392)を作ったものである。苦しみや悲しみの多き道のりで、それを分かち合い見守ってくれる友がいることを歌うその内容から、本題の他に「希望に寄せて An die Hoffnung」とも呼ばれている。歌詞は感傷的なものであるが、曲は「平静に満ち足りて」と演奏指示があるように、簡潔に歌うことでより深いものにしているといえる。

「魔笛」より夜の女王のアリア“Der Holle Rache kocht in meinem Herzen・・・” K.620
    モーツァルト最後のオペラ「魔笛」に登場する夜の女王のアリア。夜の女王は物語中3回登場するが、そのうち2回はアリアである。この14番のアリアはおそらく現在歌われているアリアの中での最高音である3点Fが4回も歌われることで有名である。単にサーカス的に音が高いだけでなく、その高音で夜の女王のヒステリーともいえる、自分にとって裏切り者である娘のパミーナへの怒りが表現されている。

Kyrie K341(368a)
この作品はニ短調という調性でありながら、非常に複雑な感じと明るさを感じさせる。 カルル・ド・ニは「ホモフォニー様式で書かれた宗教音楽の最高傑作の一つ」と賞賛し「弦楽器によるモティーフの一つは、すでに『魔笛』のなかのパミーナの歌う苦渋に満ちた、あきらめの境地のアリアそのものである」と言っている。 長い間、「ミュンヘンのキリエ」と呼ばれ、1781年にミュンヘンにで、オペラ「イドメネオ」の上演中、就職活動のために書かれたと思われていた。しかし、最近の説ではもっとあと、ウィーンにいた頃に書かれたのではないかと言われている。モーツァルトは聖シュテファン大聖堂のカペルマイスターとなることを希望しており、その才能を示すためにウィーンで大規模なミサ曲の作曲を計画し、その一部となったのがこのK341のキリエではないかとのことである。

Requiem K.626
最晩年の作品。モーツァルトは死の床でこの曲を書き続け、「ラクリモサ(涙の日)」の途中で筆が止まったと言われている。彼の死後、弟子のジュスマイヤーによって補筆完成された。その後幾人かの作曲者により補作版が出るものの、現在一般的に「レクイエム」というとジュスマイヤ―の補作したものをさす。作曲を依頼したのはフォン・ヴェルセック伯爵で、妻の命日に演奏するためだったという。彼は、モーツァルト死後、写譜した本作を、自分の作品として自らの指揮により演奏したともいわれている。
モーツァルト自身が完成させた曲ではないといえ、三大レクイエムのひとつに数えられ、人気の高い曲である。
第1曲 イントロイトゥス(レクイエム)
第2曲 キリエ
第3曲 セクエンツィア (1) ディエス・イレ (2) トゥーバ・ミルム (3) レックス・トレメンデ
(4) レコルダーレ (5) コンフターティス (6) ラクリモサ
第4曲 オッフェルトリウム (1) ドミネ・イエス (2) ホスティアス
第5曲 サンクトゥス
第6曲 ベネディクトゥス
第7曲 アニュス・デイ
第8曲 コムニオ


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