日時 | 2006年2月25日(土)18時開演 |
場所 | 同仁キリスト教会 |
入場料 | 2500円 |
指揮 | 佐藤 宏充 |
出演 | 大森寿枝 小林ちほ 高橋知子 辻山洋美 秋田薫 原梨花子(アンサンブル・アマデウス) 山口克枝 山川一江 水流陽子 井東譲 辻端幹彦 伊藤直人(アンサンブル・アマデウス) 富塚研二 中瀬日佐男(賛助出演) 酒井 恒蔵(アンサンブル・アマデウス) 玉置一義 (アンサンブル・アマデウス) 大熊敏子 櫻井由理(Pf) 牛山玲名(1stVn) 北川菜美子(2ndVn) 深澤麻里(Va) 関口将史(Vc) 栗田涼子(Cb) |
プログラム |
モテト「聖霊よ、来たれ」KV47 inC ミサ・ソレムニス in c KV139(47a)「孤児院ミサ」 Sop.小林ちほ 高橋知子 秋田薫 Ten.辻端幹彦 Bas.富塚研二 オフェルトリウム「神は誉めたたえられよ」 KV117(47b) inC Sop.大森寿枝 |
モテト<聖霊よ、来たれ> 正確な作曲時期は明らかではないが、1768年の初夏又は秋だろうと思われている。ごく最近の説によれば、この曲は皇室から大切な作曲依頼を受けたために、その腕慣らしとしてウィーンで作曲したのではないかといわれる。その依頼というのはレンヴェーク街にある孤児院の、新しい付属聖堂の献呈式で演奏される荘厳ミサ曲であった。このモテトも実は、その献呈式のために作曲された可能性が高い。調性も他の二曲と同じハ長調で、音楽的に似通っており、作曲のスタイルも近い。 孤児院ミサ この曲は十二歳の少年の手になる最初の傑作のひとつであるミサ曲である。この見事な曲に接してみると、作曲された時期がモーツァルトの生涯のずっと後のほうだと、多くの研究家が信じ込んでいたことも当然のように思える。 「ウィーン日報」や「皇室儀典記録」によると、孤児院付属聖堂(この聖堂は、『聖母マリアの生誕』に捧げられた)の献呈式におけるミサが、いかに重要な出来事だったかを詳細に記している。特に皇帝ヨーゼフ二世と、その四人の子供の隣席が報じられており、さらに「モテトを含む大ミサのすべては、特異な才能で知られる十二歳の少年により作曲され、またその少年自身がきわめて正確に指揮をして、列席したすべての人々によって喝采と称賛を受けた」と書かれている。 この最初のミサの中で、モーツァルトは宗教音楽の理想を高らかに示しており、明らかに彼の個性によって、ミサの分野における伝統的な環境から抜け出して独自の境地に達した。統一性を追求し、伝統の持つ優れたものを最大限に同化させているこの曲を、当時の『最先端』を行く音楽だったといっても過言ではなかろう。彼が、この仕事にいかに苦労したかは、その伝記を見れば明らかであって、何カ月にもわたって作品がないのはこの曲に没頭していたのである。ある意味では、すでにこの十二歳の少年による荘厳ミサは、彼の傑作である同じ調整の未完成の大ミサの先駆けともいえよう。 オフェルトリウム「神は誉めたたえられよ」 「神は誉れたたえられよ」は献呈式に直接用いられる祈祷文によっており、二本のフルートに支えられたソプラノのアリアとそれを挟む二つの合唱からなっている。「孤児院ミサ」のベネディクトゥスの器楽のモチーフがみられる。献呈式のミサのためだったことを証明するとともに、少年作曲家がいかに音楽の統一性に配慮したかということを表している。 |