日時 | 2006年5月13日(土)17時30分開演 |
場所 | 同仁キリスト教会 |
入場料 | 2000円 |
出演 | 大森寿枝 滋田聖美 辻山洋美 秋田薫 大泉みゆき 山口克枝 山川一江 辻端幹彦 富塚研二 生駒文昭 大熊敏子 櫻井由理 岩崎能子 (Pf) |
プログラム |
春への憧れ KV596
大森寿枝 辻山洋美 秋田薫 大泉みゆき 山口克枝 山川一江 富塚研二 合唱付き歌曲「今日こそ浸ろう親愛なる兄弟よ」KV487 富塚研二&合唱 すみれ KV476 辻山洋美 歓喜に寄す KV53 富塚研二 恋するツィター KV351 山口克枝 夕べの想い KV523 山川一江 Laudate Domine(VespereKV339より) 大森寿枝&合唱 Alleluja (モテト Exsultate,JubilateKV165より) 辻山洋美 モテト「御身の御保護によりすがりたてまつる」KV198 大森寿枝&大泉みゆき オペラ<皇帝ティトの慈悲>より 「ゆきます、だがいとしいひとよ」 山口克枝 オペラ<フィガロの結婚>より 「開けてよ早く」 秋田薫&山川一江 同 「どうぞお先に」 秋田薫&山口克枝 同 「手紙の二重唱」 秋田薫&大泉みゆき オペラ<ドン・ジョヴァンニ>より「ひどいですって?いいえ!あなた…!」 大泉みゆき 四手のためのピアノ・ソナタ ハ長調 KV521 大熊敏子&櫻井由理 オペラ<バスティアンとバスティエンヌ> KV50/46b 演出:山口克枝 ピアノ:岩崎能子 バスティエンヌ:滋田聖美 バスティアン:辻端幹彦 コラ:生駒文昭 |
すみれ 1785年6月8日、文豪ゲーテの詩に作曲されたこの歌曲は、わずか60数小節に、劇的なドラマが描かれている。野にひっそりと咲くすみれが若い羊飼いの娘に思いを寄せ、摘み取って貰いたいと願うものの、気にも止めぬ娘に無残にも踏み潰され、しかも死んでゆく、という内容のバラードである。モーツァルトは最後に<かわいそうなすみれ!それは愛らしいすみれだった。>という歌詞を付け加えた。 恋するツィター 来たれ、恋するツィターよ、静かな愛の友よ、お前は私の友になってくれるに違いない。来たれ、私はお前だけに私の一番秘かな苦しみを打ち明ける。私の代わりに言っておくれ、私の心はあのひとのものだと。どんなに私の心があのひとのためにやつれているかと。1780年作曲。マンドリンの助奏付き歌曲。 夕べの思い 「僕のこと好き?」幼年時代モーツァルトはあいさつ代わりにこう尋ねたそうです。冗談にも否定しようものなら何度も同じ質問を繰り返したとか。『私が死んだ後も皆は悲しんで呉れるだろうかしら?ああ、だからこそ私への涙は最高の捧げもの。美しい真珠となるだろう!』夕暮れ、月明かりの中ただ一人思いに耽る主人公の言葉と幼年時代のエピソード、どこか重なる気がするのですが…。その〈想い〉を込めつつ今夜この歌を彼に捧げます。 アレルヤ 1773年1月17日、ミラノのテアチノ教会で初演されたこのモテットは、モーツァルトがその生涯で3度目にイタリアを訪れた際に、<ルチオ・シッラ>の初演で主役だったカストラート歌手、ラウッツィーニのために作曲したものである。教会音楽だが華やかな雰囲気を持つ独唱とオーケストラのための作品で、急緩急の3つの楽章のうち、本日演奏する第3曲は、アレルヤ(主を讃えよ)の一語による明るく軽やかな曲である。 モテト(御身の御保護によりすがりたてまつる) このテキストは聖母マリアの典礼における祈りのための交唱の一つであり、ミサの奉納や閉会の時に歌われる自由なモテトとしても用いられてきた。カストラートソプラノとテノールのためと思われてきたが、二人のソプラノのためだということが、自筆の楽譜によって明らかになった。<辻端幹彦> オペラ<皇帝ティトの慈悲>より「行きます、だがいとしい人よ」 1791年ボヘミアレオポルト二世の戴冠式の際に上演する目的で1ヶ月前に注文され、18日間で作曲したオペラ。すでにモーツァルトは体調がすぐれず弟子のジュスマイヤーの手によりかかれた部分もあるらしい。セスト(男性だがメゾソプラノによって歌われる)は、恋するヴィッテリアから、ローマ皇帝ティトを暗殺できれば結婚をすると決意を求められ、自分の愛のため友人に手にかけることを彼女に歌う。 オペラ<ドン・ジョバンニ>より「ひどい人ですって?いいえ!あなた…!」 ドンナ・アンナの邸の一室。結婚の申し出をうけてくれというオッターヴィオに、自分の父を殺害した、ドン・ジョバンニが罰せられるまでは結婚はできません、と答える。決然としたレチタティーヴォ「ひどい人ですって?いいえ!」とアンナの苦しい胸のうちと決心を語り、つづいて、アリア「私におっしゃらないで」、つづいて、「きっといつの日か」を歌い、心情を訴える。 四手のためのピアノ・ソナタハ長調 モーツァルトが残した5曲の1台四手用ピアノ・ソナタの中で、このKV521は最後の作品である。1787年5月29日に作曲され、ジャカン兄弟に捧げられた。兄はモーツァルトの親友、妹はピアノの弟子で美貌の才媛として知られ、このKV521は円熟期のモーツァルトだけに、軽さのなかにも高い芸術性を保っている。 バスティアンとバスティエンヌ このオペラは、モーツァルトが12歳の時に作曲した4作目のオペラである。ウィーンの裕福な医師A.メスマーの依頼で1768年夏に作曲し、10月にメスマーの庭園で初演された。台本はルソーの代表作、幕間劇「村の占師」(1752年)をフーヴァー夫人がもじって書いたオペレット「バスティアンとバスティエンヌの恋」をF.W.ヴァイスケルンが独訳したものである。貴族の娯楽から発達しただけに観客が退屈する暇もなく話が展開する。また、思想的にルソーの啓蒙主義が随所にちりばめられている。1955年、「ウィーン少年合唱団」の少年たちが日本にこのオペラを紹介した。翌年には二期会研究生が演奏している。 |